エロい女




転職を何回か繰り返した僕が2度目の会社に入社した時のこと。
まだ20代前半だった僕に当時の社長は言いました。
「女はエロい方が良いよな」と。
僕はまだ「清純派が良い」と思っていたので、そうですか?という答えを社長に返しました。
社長は「当たり前だろう!エロい女が分からないとはまだまだだな」と続けて僕に言いました。
エロい女とは何だ?というのがあれから僕の記憶の中に残り、それが頭をもたげることもなく記憶の片隅に置かれたままになりました。
数年後、30代を目前にしたとき、僕はエロい女に出会いました。
出会った時はエロいということには全く気が付かず、そう思う事もありませんでした。
付き合い時間を重ねていく中で、彼女のエロい部分を知り、それが自分にとってどれくらい良いことなのかを知るようになりました。
そして、あのときの社長の言葉を思い出しました。
まだ若く経験の浅い僕は「エロい女」は、誰に対しても積極的で開放的であると思い込んでいたようです。
必ずしもそうではなく、ひとりの男に対して積極的で開放的であることもエロい女の要素だと分かりました。
彼女は芸能人や有名人であっても僕が気を取られることを許さず、ひとたび裸になれば時間を忘れるほどに激しくて僕を夢中にさせました。
たとえそれが明るい時間からであっても、走行中の車内であっても関係ないというくらいに。
僕が求めれば応じてくれ、彼女からも求めにも僕は精一杯応えました。
その昔、社長から聞いた「エロい女」がどういうものか体で知り、出来事や性格ということだけではなく、体から相手に惚れること、惚れさせることもあるものだと分かりました。
それまでのコミュニケーションや、気持ちの一致も段階としてはありましたが、若い頃に思っていたことがどれだけ回りくどいことなのか。
「エロい」とは、生理的な部分で誰もが興味を持つ部分だと思いますが、必ずしもそれが何よりも優先されるわけではないと知ったのも、ある程度年齢を重ねてからでした。